屋根下地(続)

「連日続いた猛暑日も、今日は落ち着くでしょう。」

朝の天気予報は確かにそう、告げていました。

でも今日の練馬・板橋、暑いと思います。

事務所入り口上の気温は、14時現在39.1℃/40%(絶対湿度17.7g/kgDA)。

落ち着いたとは、とても言えないですよね

 

練馬区平和台1丁目に建つ『FPの家 H邸』では、今日も屋根下地の工事を進めています。

まずは、遮断パネルを取付ける場所に運びます。

厚さ105mm×巾263mm、長さはオーダーする事が出来ます。

実は幅も特注しました。

標準品の巾は415㎜なんです。

パネル図を挙げてみました。

今回は、①②③の3種類のパネルを使います。

基本、現場加工は行いません。

でも今回は一部が寄棟になっている為、隅木に当たる部分のみ、現場加工としました。

遮断パネルって、こんなパネルです。

パネルの四周は、木枠になっています。

この中に『HFO発泡の硬質ウレタンフォーム』が充填されている訳です。

同じウレタンでも、製造方法は『現場発泡ウレタン』とは少し違います。

1番の違いは、専用工場でつくられた工業製品であるという事でしょうか。

図面に基づいて、1枚1枚を丁寧に仕上げています。

つまりオーダーメイド品なんです。

壁パネルを例に、簡単に製造方法を説明したいと思います。

まず初めに行うのが、木枠づくりです。

人口乾燥された国産杉を写真のように組立てます。

次に行うのが、クラフト紙貼りです。

貼ると書きましたが、この表現は正確ではありません。

本当は木枠を覆うように被せ、木枠部にステップルで固定するというのが正解です。

裏表にクラフト紙を貼る事で、発泡したウレタンが他に付着する事を防いでくれます。

次に、パネルを重ねてプレス機に載せ、30tの荷重を掛けます。

こうしておけば、ウレタンが発泡してもクラフト紙が持ち上がる事はありません。

次に、パネルの木口に明いた穴に専用ノズルを挿し込み、ウレタンを注入します。

現場に納入されたパネルを撮ってみました。

中央の丸い部分が注入穴です。

ウレタンが発泡・硬化しているのがわかるでしょ

奥に挿し込み、手前に引くようにして、均等になるように入れます。

この時、注意しなければならない事があります。

ウレタンには『自己接着性』という機能があります。

木材と相性が良く、強力に接着する事が出来るんです。

でも接着面の温度が低いと、接着不良を起こす事があります。

だからこそ、発泡時の温度管理って重要なんです。

また空気中の水蒸気量も、発泡に大きく関わります。

どちらも、ウレタンの性能を左右する重要なポイントです。

でも現場発泡って、どちらも管理しにくいですよね。

施工者の経験や勘に頼る部分が大きいんです。

でも専用工場であれば、しっかりと管理する事が出来ます。

例えば、温水パイプをプレス機に接続して温度を適温に保つようにしています。

当然湿度管理もしっかりと行い、適した水蒸気量を維持します。

こんな事、現場では出来ないでしょ

これが『工場でつくるウレタンパネル』を使うメリットだと思います。

プレスが終わると、1枚1枚検査が行われます。

そして合格したパネルには、合格印が押されます。

こんな感じです。

こうしてつくられたパネルが、現場に運ばれ、それぞれの部位に取り付けられるんです。

壁パネルを例にしましたが、遮断パネルの場合は屋根面のクラフト紙が遮断パットに変わります。

遮断パットとは、アルミクラフト紙で出来た遮熱2層通気層です。

遮熱2層通気層と従来の通気層って、遮熱性能が大きく違うんです。

こんな実験結果があります。

上図の場合、断熱材の上に厚さ35mmの通気層を設けています。

一般的な通気層工法の屋根断面となります。

屋根面温度74.9℃に対して、断熱材の表面温度は48.1℃でした。

遮断パネルの場合は、上図のようになります。

厚さ35mmのアルミクラフト紙で出来た2層通気層の効果で、断熱材の表面温度は30.9℃にしかなりません。

両者の温度差は17.2℃になります。

ちなみに遮断パネルに使われている『HFOウレタン』の熱伝導率は0.020W/m・K。

厚さ105mmですから、熱抵抗は5.25になります。

これって、厚さ236mmのグラスウール16Kに相当します。

同じ断熱性能であれば、断熱材表面温度の差は、そのまま室内温度に影響します。

わずか105mmの断熱パネルが236mmのグラスウール16Kに相当する断熱性能と17.2℃の遮熱性能を有している訳です。

これが、日本をはじめ世界各国で特許を取得している遮断パネルの実力です。

しかも、施工性が良いんです。

実際に取り付ける様子をご紹介したいと思います。

施工は意外と簡単です。

屋根タルキの間に嵌め込み、タルキとパネルの木枠部分を釘で留めるだけ。

一般的な断熱材と違い、木枠の付いた断熱パネルですから、確実に留め付ける事が出来ます。

当然、経年で断熱パネルが落下する事もありません。

タルキを受ける母屋や棟木に押し付けるように取り付けます。

下から見ると、こんな感じです。

パネルの下端とタルキの下端が揃うので、ここに気密テープを貼れば簡単に気密・防湿処理をする事が出来ます。

南側のパネルが、ほぼ取付けられました。

銀色に光り輝いているのがアルミクラフト紙で出来た遮熱パットです。

写真のように、折りたたまれています。

これを開き、両端をタルキにステップルで留めれば、遮熱通気層の完成です。

こんな感じになります。

わかりにくいので、イラストにしました。

青い部分が遮熱通気層になります。

陽射しが強いと、作業が進みません。

だって、屋根上の温度が半端なく高いんです。

足場なんて、やけどしそうに熱くなってるます。

アルミクラフト紙も熱くなっていて、汗が落ちると「ジュッ」と音がしそうなんです。

目玉焼きが出来るかも・・・。

以前は、銀色でした。

暑いばかりか、眩しくてサングラス着用が必須でした。

仕様変更で緑色のアルミクラフト紙になって、本当に助かりました。

まだまだ、屋根下地の施工が続きます。

たぶん、火曜日いっぱいかかると思います。

雨は困るけど、晴れも困ります。

曇りくらいがちょうどいいなぁー。

勝手な話ですけど・・・。

 

そうそう、仮設梯子を設置しました。

これで、2階への昇り降りが安全かつ楽チンになります。

以前は、脚立を伸ばして使っていましたが、やはりコッチの方が良いですよね。

構造見学会の際には手摺も設置するので、より昇り降りしやすいと思います。

 

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