ヒノキ神話

昨日の続きです。

シロアリはホウ酸でやっつけなさい!

荒川民雄 著

住まいの学校 刊

から、一部を抜粋してご紹介したいと思います。

ヒノキ神話というコラムです。

日本の木材関係者の間には「ヒノキ神話」というものがあります。

ひのき造りの家は、腐れやシロアリの被害を受けないという信念です。

実際、国土交通省は「ヒノキの土台は防蟻処理なしで劣化対策等級3(75年の耐久性)の住宅に使用出来る」と規定しています。

しかしこの判断は、反農薬東京の会のおばちゃん達に突き上げられた当局が、「学術論」を超えた次元で決定したことでした。

(日本しろあり対策協会『創立40年誌』)

京都大学木質研究所発行の『木材研究・資料 第20号104-118(1985)』には、日本を代表する4産地のヒノキについて、腐朽・シロアリ試験の結果が報告されています。

結論:ヒノキはベイツガより高い耐久性をもつが、辺材はもちろん心材であっても腐朽・蟻害を受ける。土台材など重要な部材に使用する場合は、保存処理を行い耐久性を付する必要がある。

さらにヒノキ神話の立役者にヒノキチオールという物質があります。

日本を代表する有機化学者だった野副鉄男博士は、1936年、耐久性の高いタイワンヒノキの精油から融点51~52℃の結晶を単離し、ヒノキチオールと命名しました。

この物質がタイワンヒノキ耐久性の根源です。

日本の青森ヒバに含まれますが、ヒノキには含まれません。

しかしヒノキチオールという命名が独り歩きを始め、ヒノキも耐久性樹種の仲間入りを果たしました。

野福博士が、タイワンヒノキチオールと命名してくれていたら、ヒノキ神話も変わっていたでしょう。

衝撃的な内容ですよね

私自身は随分と前から知っていましたが、知った時はびっくりした記憶があります。

弊社が使う土台は国産檜の芯持ち材です。

以前は青森ヒバの辺材でした。

檜よりもヒバの方が耐蟻牲が高い事は分かっていましたが、辺材では意味が無い事を知り、国産檜の芯持ち材に変えた訳です。

そして、高濃度ホウ酸を現場で吹き付けています。

十分な濃度を保つように、現場における管理も徹底しています。

ヒノキという、我が国の良い建材を多用するのは良いことだと思います。

心材であれば、それなりの耐蟻牲も期待出来ます。

でも、長期に渡って耐蟻牲を期待するのであれば、ホウ酸処理は必須となります。

なぜホウ酸なの

と言う方もいるでしょう。

いずれ書きたいと思います。

お楽しみに・・・。

 

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