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少し暑さが戻ってきたようです。
外仕事をしていると、汗ばんでくるのがわかります。
別に隠していた訳ではありません。
じつは、板橋区徳丸1丁目で『スケルトンリフォーム I邸』の工事を進めているんです。
ボックスカルバートの上に建つ木造2階専用住宅の、断熱・構造リフォームとなります。
既存の建物を躯体残しで解体し、基礎&躯体の耐震補強を行った後、高断熱・高気密住宅に変えていきます。
じつは、すぐ近くにも同様の工事をさせて頂きました。
つい昨年の事です。
この工事を見て、弊社にお声掛け戴けた訳です。
ありがたい事だと思います。
今は、解体工事の真っ際中!
かなりスカスカになってきました。
最近の建物と比べると、床の組み方が全然違います。
昔の建物は、根太を303mm間隔に入れ、その上にフローリングを張っていました。
1階であれば土台や大引きの上に45×40mm程度の根太を転ばし、2階であれば梁間に105×45mm程度の根太を掘り込んでいきます。
でも、この工法は耐震上あまり良くありません。
今回のリフォームでは、合床と言われる床下地を組んで耐震性を高める予定です。
また、梁の組み方や梁成の再検討も行います。
必要であれば、柱を増やす事もあるでしょう。
その上で、耐力壁をバランス良く配置します。
当然、現行基準に従って金物補強も行います。
でも残念ながら、地盤はいじりません。
無筋基礎については、前回も採用した『ガンコおやじ』にて補強する予定ですが・・・。
防湿コンクリートを打設したいところですが、建物重量を増やすのは心配です。
基礎内の盛り土を撤去し、砕石を搬入後転圧。
土壌処理を行った後に防湿シートを施工する事にしました。
屋根や外壁の軽量化も図る予定です。
解体途中を撮ってみました。
厚さ50mmのグラスウール10Kが壁に充填されていました。
ひどい施工ですよね。
でも当時はみんな、こんな施工だったんですよね・・・。
どこが悪いと思いますか?
色々と問題点はありますが、ひと言でいってしまえば「内壁と断熱材の間を冷たい外気が行き来する構造」になっているんです。
こんなイラストがあります。
一般社団法人新住協の施工マニュアルから引用しています。
従来の木造住宅が寒い理由を説明しているイラストなんです。
まさに、イラストの通りです。
壁に張られた石膏ボードと断熱材の間に隙間が出来ています。
そして、床と壁の取合い部や壁と天井の取合い部にも隙間があります。
室内の暖かい空気で暖められた壁は、断熱材と内壁の間の隙間の空気を暖めます。
暖められた空気は軽い為、上に上がってしまいます。
上に隙間があれば、そこから小屋裏に抜けてしまい、最終的には外に漏れてしまいます。
空気が上に上がった壁内は負圧になり、床下の冷たい外気を吸い上げてしまいます。
そして壁内の空気は冷たくなります。
冷たくなった壁内の空気は、放射により室内を冷やします。
壁からの冷気を感じれば、人はストーブを点けます。
熱は壁を暖め、壁内の上昇気流は益々強くなり、外に逃げていきます。
悪循環のスタートです。
これが、寒い家の理由です。
本来、断熱材は隙間なく内壁にピッタリとくっ付いていなければなりません。
間に空気の層があっては、ならないのです。
でも、隙間なく断熱層を設けるのって難しいんです。
その場合は、この空気の層の上下に蓋をして、動かない空気層にします。
その為に必要なのが気流止め施工です。
今回の工事では、この辺りの施工にも気を使ってみたいと思います。
寒い家を暖かい家にする計画が、少しづつ進められています。
今後にご期待ください。
posted by Asset Red
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