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最近、朝晩がめっきり寒くなりました。
案外、冬が近いのかもしれませんね?
久し振りに、『温かい家は寿命を延ばす』という話を書きたいと思います。
皆さんは、寿命に『平均寿命』と『健康寿命』があるのをご存知でしょうか?
例えば、こんなデーターがあります。
男女別平均寿命と健康寿命および、その差を示しています。
男性の場合、平均寿命は79.55歳。
健康寿命は70.42歳、その差は9.13年となります。
また女性の場合は、平均寿命が86.30歳。
健康寿命は73.62歳、その差は12.68年となります。
平均寿命の説明は、必要ないですよね?
割愛させて戴きます。
そして健康寿命とは、日常生活に制限のない期間を指しています。
だから平均寿命と健康寿命の差とは、日常生活に何らかの制限がある期間を指す訳です。
自立できない期間とか、介護や入院の必要な期間と言い換える事も出来ます。
いづれにしても、第3者に迷惑を掛けてしまう期間であり、費用だってたくさん掛かります。
だからこそ、平均寿命と健康寿命の差を無くす努力が必要となる訳です。
突然死や高度な病的障害は、次の3つの代表疾患を原因に起こるそうです。
①心疾患
②消化器疾患
③脳疾患(クモ膜下出血・脳出血・脳梗塞)
また冬の死因の6割が、心疾患と脳疾患の循環器疾患です。
上図は、近畿大学の岩前研究室の調査による『住まいの高断熱化による健康改善効果』を示したグラフです。
症状により若干の違いはあるものの、高断熱化を図るほど健康改善効果は上がっているのが一目でわかると思います。
また慶應義塾大学の伊香賀研究室による『温かい住宅が健康寿命を延ばす』というデーターを見ると、寒冷住宅に暮らす人と温暖住宅に暮らす人の健康寿命は4歳も違う事がわかります。
今までは、温かい家と健康寿命の関連性を語られる事はあまりありませんでした。
むしろ、こうした話題に半信半疑のビルダーも多かったんです。
でも、こうしたデーターは徐々に蓄積されている状況にあり、医療従事者や研究者の口からも多く発信されるようになりました。
こんなデーターもあります。
県別に冬季の死亡増加率を示しています。
なぜか寒い北海道よりも、比較的暖かい栃木県の方が呼吸器・脳血管・心疾患による死亡率が高いんですよね。
寒い方が死亡率高いんじゃないの
そう思った人も多いと思います。
でも、違うんです。
死亡率の増加で問題になるのは、地域による気候の違いではなく、そこに建つ住宅の断熱性能なんですよね。
住宅先進地域である北海道に建つ住宅は、住宅後進地域である栃木県に比べて、かなり冬温かいんです。
両者の断熱&気密性能と全館連続暖房・局所間欠暖房の違いです。
だから、死亡率は低くなります。
同様に、温暖地であってもこれらに配慮されていない住宅に暮らす地域の死亡率は高くなっています。
沖縄然り、徳島然り・・・。
人は疾病を伴う原因として、生活習慣要因・外部環境要因・遺伝要因・医原性要因から構成されますが、その50%は生活習慣要因なんだそうです。
食生活・運動・喫煙・飲酒・過労、そして住宅がコレに当たります。
疾病を防ぐのであれば、より発生確率の高い要因から手を打つのが有効でしょ?
この点からも、寿命を延ばす『温かい家』に暮らすのは、健康的に見ても間違いないと言えそうです。
世界保健機関(WHO)も、2018年11月27日に発表した『住宅と健康に関するガイドライン』の中で、次のような事を云っています。
4章からの抜粋となります。(誤訳に関しては、ご勘弁を・・・。)
冷気は肺炎を起こし、循環を阻害し、喘息発作の症状や呼吸器疾患の悪化も引き起こします。
血管の収縮の誘発、虚血性心疾患を引き起こす可能性もあります。
心血管疾患にかかる率および死亡する率は、夏よりも冬の方が高くなります。
寒い室内は健康に悪影響を与えます。
健康への負担として、特に高齢者は呼吸器疾患と心血管疾患。
子供は呼吸器疾患が挙げられます。
室温18度未満の住宅に住んでいる人は、18度以上の家に住んでいる人よりも健康結果は悪くなります。
そして、断熱強化された住宅に住む事で結果は向上します。
室温は最低18度以上必要です。
そして高齢者・子供・病気(特に心肺疾患)の人は18度よりさらに暖かくする必要があります。
『長いものには巻かれろ!』が好きな日本人です。
WHOが言ってるんだから、右へならえ!
と、ならないのかな・・・。
posted by Asset Red
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